20代後半の娘の、日本人男性との結婚・出産を控えて、急いで帰化できないかと駆け込んで来られた親御さん。日程を聞けば、結婚どころか出産前の帰化も難しそうです。

よく帰化と結婚のどちらを先にしたらよいかというご相談をいただきます。が、たいていの場合、この質問をお受けするときには、もう動かせない日程の中で選択の余地などないケースがほとんどです。そして私どもの回答も、「できることなら先に帰化しておいたほうが、お母さんもご安心だったでしょう。でも決まってしまった以上は仕方ありません。段取りの違いはありますが、申請が受理されればあとは同じです」
実際のところ、この質問は親御さんからいただくことが多いのです。
ただ今回の場合は、先か後かというより、諸事情により同時に進むような形になってしまいました。

帰化の審査期間中に入籍すると、生計を一にする親族の範囲が、相談者であられるお母様から、娘さんの配偶者へと代わります。これにともない、お母様に関する収入証明や課税証明等の各書類はすべて、配偶者のものへと差し替える必要が生じます。また、新居の住所地の管轄法務局が変わるようだと、書類もいったんそちらへ移送され、新しい担当者のもと仕切り直すことになるとの法務局の説明です。こうなるともう一度帰化申請し直すようなもので、いかにも段取りのマズさにうらみが残る結果となってしまいます。
さいわい今回管轄の問題を生じることはなさそうで、ご本人も納得の上とにかく申請を急ぐことになりました。

審査期間中に生じた関係者の身分事項の変動(入籍、出産、死亡、離婚等)は、すべて変更届の対象となります。そうして、様々な追加書類の提出を求められることになります。
帰化の審査は1年近くかかる長丁場ですから、その間なんの変化も起こさず静かに過ごすというのは実際のところ難しいのですが、可能な限り目先1~2年程度の生活設計は念頭に置いた上で、じっくり検討できるのが理想的といえるのではないでしょうか。


4ステップ|帰化までの道のり(PDF:220KB)

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